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2019年4月14日(日曜日)

グリーンブック!2019:04:14:20:13:33

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映画グリーンブックの感想です。

グリーンブックって何?

まずは、タイトルの意味を

考えることから始めることが大切。

グリーンブックとは、

1936年から1966年まで

毎年出版されていた、

黒人旅行者を対象とした

アメリカのガイドブック。

黒人が利用できる宿や店、

黒人の日没後の外出を

禁止するなどの情報が

まとめられてあり、

彼らが差別、暴力や逮捕を避け、

車で移動するための

欠かせないツールと

なっていました。

アメリカは郡や州によって法律が違い、

特にアメリカ南部で

重宝されていたようです。

さて、この映画は、

アカデミー賞三部門受賞した作品。

実話を元にしたストーリー

ガサツで無教養、しかし、

どんなトラブルも解決する

用心棒の白人トニーと

孤高の天才黒人ピアニストシャーリー、

おじさん二人が人種差別が色濃い

南部アメリカへの旅を通して

友情を育みながら、

人種差別と向き合い、

人格の尊厳を守り通す戦いのストーリー。

日本は島国なため、

なかなか人種差別は実感しにくいが、

今、日本でも、外国人労働者への

差別があるのは現実。

世界ではまだまだ人種による差別がある。

なぜ、肌の色が違うというだけで

差別されなければならないのか?

考えさせられるシーンが数多くある。

食事ができないレストラン、

出歩けない時間帯の法律。

トイレさえも分かれている。

人格の尊厳が傷つけられる。

映画の中で心に残った台詞がある。

You never win with violence.

You only win when you maintain your dignity.

「人は決して暴力では勝てない。

威厳を保ったときだけ勝てるんだ」

暴力で問題を解決しようとする相棒に、

語った言葉に心が震えた。

どんな差別を受けようが威厳を保つ。

あえて、人種差別の強い

南部アメリカへの旅を選んだ理由が

そこにあったんだと思う。

長い旅を通して、補い合いながら

お互いの人格を尊重し、

真の友情が芽生えていくなかで、

最後は幸せな気持ちに導かれる。

人の力が調和すると

素晴らしい世界が広がる。

世の中には多様な力を持った人間が

たくさん存在する。

いかに相手の強みを理解し、

協力関係を気づけるかが、

これからの世の中の必須条件になる。

少子高齢化時代に突入している日本は、

これから多くの外国人とふれあい、

生活を共にしていく時代になる。

単一民族国家から多民族国家への

転換期かもしれない。

そういった意味においても

今、グリーンブックが

公開された意義は非常に大きい。

これからの日本人に大切なことを

教えてくれていると感じる。

もうしばらくで公開が終了するため、

早めに映画館で見てほしい作品。

ちなみに使われている音楽も素晴らしいもの。

特に安酒場で、「木枯らしのエチュード」を

力強く弾く姿は感動的。

笑いと感動とともに学び多き映画でした。

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